2004年11月11日

先日の記事(MasaGon日記|指導は最大の習得法)で、人を教えることが自らの成長にとっても、最大の効果が得られるという話をした。

そんな理由もあって、MasaGonは今年の頭辺りから、出身大学のサークルの現役の、あるラッパ吹き(トランペッター)のレッスンを定期的に行っている。平均すると1〜2ヶ月に一度ぐらいのペースであろうか。MasaGonにとっても、これほど長期にわたって一人のラッパ吹きを育てるというのは、初めての経験だったので、正直最初は戸惑いや不安もあった。本当に自分で良いのだろうか。もっと他に適切な人がいるのではないだろうか。結果が出なかったらどうしよう。

そんな中で、MasaGonが取った方法は、レッスンを有料にするという選択だった。有料といっても、会社帰りに大学に寄って2〜3時間程度のレッスンを行い、電車賃に手が届くか届かないかぐらいの程度のものである。(もちろん彼ら学生にとっては大金であろう事は理解しているつもりである。)


しかし、金額の大小にかかわらず、MasaGonは「お金」を受け取るという事によって、彼に対してそれ相応の責任を持とうと考えたのである。もちろん、前の記事(MasaGon日記|指導は最大の習得法)でも述べたように、依存させる責任ではなく独立させる責任である。つまりMasaGonを超えてもらうという事である。

好きな時にふらっと行って、ただで好きなことを言って帰る方が恐らく気楽であろうが、それは彼のためにならないだけではなく、私にとっても何の成長も得られないのではないかと思ったのである。私は彼とWin-Winの関係を築きたいと思っている。私のノウハウを惜しむことなく彼に伝え、私は彼を指導することによって成長するのだ。だからMasaGonにとっても彼とのレッスンは非常に楽しいものである。

レッスンは非常に順調に進んでいる。今だから言うが、彼(仮にK村君と呼ぼう)の成長は私の予想を遥かに超えるもので、特にここ数ヶ月の成長ぶりはそら恐ろしいほどである。数ヶ月前には、このまま行くと私にはもう教えることが尽きてしまうのではないか、と真剣に思い、その思いを正直にK村君にも伝えた。

これほどまでに、この私にとっての最初の「大プロジェクト」がうまく行った理由は、K村君のキャラクターにあったと思っている。即ち、本人は意識しているかどうかは分からないが、彼は「指導者を育てる」タイプの性格を持っているのではないのかなぁと、MasaGonは最近感じているのである。

まず第一に素直であること。普通、学生サークルで最高学年ともなれば、いろいろなプライドやらしがらみやらが出てきて、素直に自分の非を認めたり、物事を客観的に判断できなくなって来ることも多い。何を隠そうMasaGon自身がそうであった。しかして、K村君は素直さゆえに、他の人の何十倍も得をしているわけである。彼は、多少後輩に使われようが(笑)、損して得を取っているわけである。

第二に器用すぎないこと。器用なことは決して悪いことではない。しかし、器用すぎる人は時として水面に浮かぶ浮島の上に超高層ビルを建ててしまうのである。周りから見れば、全くあっぱれなことであり、誰しも賞賛するであろうが、誰も彼に土台を安定させるための地質調査、ボーリングやくい打ちの仕方を教えようとは思わないだろう。台風が来たらどうなるであろう。

第三にフィードバックがあること。どんなに素直で、他人の意見を何でも受け入れたとしても、適切なフィードバックが無ければ、教えている方としては、本当に理解しているのかどうか不安になってしまう。不安になれば、指導者も人間であるから、自分の教えていることに自身を持てなくなる。自信を持てなくなれば、その気持ちを隠すために強引にねじ伏せようと考えるようになる。結果として、生徒のほんのわずかな疑問に対して、過剰に反応してしまうようになる可能性がある。

K村君にいたっては、バカが付くほど素直であり、器用というよりはむしろ不器用、そしてたとえ的外れであったとしても、必ず自分の経験と意見に基づいて、「それはこういうことなのか?」とフィードバックを返してくれる。本当に指導者思いの生徒である。(笑)

ということは、この3点をしっかり押さえておけば、今度は自分が指導される立場の場合に、指導者を育てることが出来、それによって自分も多大な恩恵を受けることが出来るということではないだろうか。

MasaGonもまだまだ学ばなければならないことがたくさんある。これらを肝に銘じて学習していきたいと思う。まずは、自動二輪教習からである。

K村君はあと一月ほどで現役を引退する。それまで最大限の応援をしていきたいと思っている。

♪この記事で「元気」が出たらここをクリック!
<↑Blog Rankingへの投票です。1日1クリックのご協力をお願いします。>







(22:09)

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 田代   2004年11月17日 01:40
こんばんわ。
K村君、人事労務屋から見ても中々良いですね。
採用面接の場面では、私の好きなタイプです。
ビジネスの世界でも素直な人は伸びると思います。
最近出会うことが少なくなりました。
この記事は特に共感しました。
2. Posted by MasaGon   2004年11月18日 02:44
>田代さん、

いや、ほんとにいい子なんですわ、これが...(笑)
うちの会社にも欲しいぐらいです。素直さは本当に財産ですよね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔