2004年12月03日

以前の記事(MasaGon日記|旧友との再会)でも述べたが、MasaGonの前職はEDA(半導体設計用CAD)のベンチャー企業である。

後にこの会社は、資金ショートで解散に至るわけであるが、そこに至るまでは数々のドラマがあった。そんなドラマの中で、経営陣内部の折り合いの不一致からスピンアウトをした技術者がいる。会社立ち上げ時から一貫して技術を引っ張ってきたCTO、S氏である。

MasaGonは当時(2003年4月頃)このスピンアウト話に参加することをオファーされ、胃に穴が空くぐらい本当に悩んだが、結果としてやりかけたことを途中で諦める気になれず、彼のCTO職を引き継ぎ、結局このベンチャーの最後を経営側の端くれとして見取ったことになる。(この選択は今でも後悔していない。)

本日は、スピンアウトを果たし順調に軌道に乗せている、そのEDA関連企業の忘年会へお誘いを受け、参加してきた。


会場は富士見が丘駅前の小さな赤提灯の居酒屋。決して見栄を張ったり、無理に実力以上の飾りたてをしない事をポリシーとするS氏の意思が非常に良く表れている。しかし、この店が見た目に反して(失礼!)実に安くて旨いのである。

彼らの事務所は駅からも少し離れた、住宅街の真ん中にある古びれた空き店舗のようなところを、自らの手で改造してただ机を置いただけのようなシンプルな空間。ハードには決して金をかけていない。しかし情に厚いS氏は、当時私がいたベンチャー企業のダウンサイジング対象の多くを引き受け、後に解散して路頭に迷った従業員も招き入れた。恐らく当初は自分が食べるだけでも精一杯だったはずであるのに、S氏は収益が上がるまでの間、自分は社員にもならずに給料も受け取らなかったそうである。

やはり、そういった命をかけた経営は社員の心に深く伝わるのであろう。創業2年を前にして、会社は強いブランド力をつけ、収益も上がり始め、今では安心して毎日を過ごせるようになったそうである。従業員を10数名もかかえ、2年で軌道に乗せるというのは本当にこれはすごいことである。しかも、資本は全て彼らの自己資金である。

VCなどを受け入れ、大々的に金を集め、IPOを目指して派手にやるのも一つの方法であるが、このように一つ一つ目の前の道を踏み固め、一歩一歩自分の実力に合ったやり方で前に進んでいくのも、本当に素晴らしいやり方であるように思える。

成功する経営者には本当にいろいろなタイプの人がいる。これだけが正しいという一つの道は無いのかもしれない。そんな事を考えさせられた1日であった。今後も地道に前に向って進んで行く事は間違いないであろう。ちょっと目をはなした隙にすごいことになっているかもしれない。今後とも更なる発展を願って応援していきたいと思う。

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(23:40)

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この記事へのコメント

1. Posted by Mick   2004年12月13日 23:47
MasaGon さんへ

嬉しい話をありがとうございます。 表題通りに元気がでました。
そういう方々が回りにいるのはMasaGonさんの人徳でもありますね。
一度MasaGonファンで新年会でもしませんか?
2. Posted by MasaGon   2004年12月14日 01:14
>Mickさん、

おぉ、MasaGon日記ファン新年会ですかぁ。いいですねぇ。
他に来たい人いますかぁ〜?>All

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